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SSL証明書の比較

SSL/TLS証明書には、EV、OV、DVの3つの種類があります。
この3つの証明書は具体的に何が違い、どのような用途に適しているのかを解説しました。

SSL/TLS証明書の3タイプ

SSL証明書の3つの種別
EV(Extended Validation: 拡張証明)OV(Organization Validation:組織証明)DV(Domain Validation: ドメイン証明)
暗号化機能
証明書に組織情報を含むか〇(最も厳格な審査を経て記載)×
ブラウザのアドレスバー表示鍵アイコンのみ鍵アイコンのみ鍵アイコンのみ
主な利用シーン 企業・外部公開向け
  • IR、企業サイト等
  • 決済を伴う物販サイト
  • 取引先や監査から法人格の厳格な審査を求められるサイト
企業・外部公開向け
  • 資料請求、問い合わせ、採用ページ等
個人・イントラネット向け
  • 不特定多数の相手との通信は行わない「イントラネット」での利用

かつてEV証明書は、ブラウザのアドレスバーが緑色になり、組織名が直接表示される「グリーンバー」により、OVやDVと視覚的に区別されていました。
しかしGoogleは2019年9月リリースのChrome 77で、Mozillaも同年リリースのFirefox 70で、このグリーンバー表示を廃止しました。
Googleは「EV UIはユーザーを意図した形で保護していないと判断した」と説明しています。
現在、EVとOVはアドレスバー上では同じ鍵アイコンで表示され、組織名を確認するにはEV・OVいずれの場合も鍵アイコンをクリックして証明書の詳細を開く必要があります。
したがって、EVを選ぶ理由は「訪問者が一目で見分けられる」という視覚的な効果ではなく、発行前の審査水準の厳格さそのものにあります。

PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を策定しているPCI SSC(Payment Card Industry Standards Council)は、決済ページにOVまたはEV証明書の利用を推奨しています。
PCI DSSは、クレジット業界関連だけではなく、多くの企業のセキュリティ基準として使われています。
なお、この推奨は2017年公開のガイダンスに基づくもので、前述のグリーンバー廃止(2019年)より前に策定された内容である点にご留意ください。

SSL証明書の役割から見たEV、OV、DVの違い

拡張証明(EV)、組織証明(OV)、ドメイン証明(DV)の3種類のSSL証明書の違いを理解するには、証明書とは何か、そして証明書がDigiCertのような公認の認証局(CA)によってどのように発行されるのかを理解することが役立ちます。
CAは信頼できる第三者機関で、ウェブサイトの所有者の身元情報を確認してTLS/SSL証明書を発行します。
これらの詳細を確認する唯一の方法は、アドレスバーの鍵のアイコンをクリックして見ることです。

TLS/SSL証明書には2つの意味があります。

物理的な世界での証明書と同じように、デジタル証明書は本質的に、御社のビジネスや組織をオンラインで代表する権利を証明するものです。

検証手順の違い

各SSL証明書の種類の名称は、証明書を発行する前に行われた検証手順を表しています。

SSL証明書の種別による検証項目の違い
証明書の種類検証項目
DV ドメインの管理権(DCV: Domain Control Validation)
DNS TXTレコードの設置、指定URLへの認証ファイル設置、または admin@・postmaster@ 等の構築済みメールアドレス宛のメール認証のいずれかで確認する
WHOISに登録されたメールアドレス宛の確認方式は、WHOIS情報の信頼性低下を理由にCA/Browser Forumの決議(Ballot SC-80v3)により2025年に廃止された
OV
  • ドメインの所有者
  • 名称
  • 組織種別
  • 組織の状況
  • 実際の住所
EV
  • ドメインの所有者
  • 名称
  • 組織種別
  • 組織の状況
  • 実際の住所
  • 電話番号
  • 事業期間
  • 法人登録番号
  • 管轄区域
  • ドメイン詐欺のチェック
  • コンタクトブラックリストのチェック
  • 証明書の申請者の雇用状況を確認するための電話

ワイルドカードの違い

DVやOVは、*.spelldata.co.jpというワイルドカードでの発行が可能です。
ですから、多数のサブドメインを持つ場合には、お得です。

EVは、ワイルドカードでの発行が認められていません。
そこで、複数のサブドメインに対応するには、明示的なサブドメイン名によるマルチドメインでの発行となります。

まとめ

DVは、ドメインやURLに関する所有権さえ証明すれば取得ができるので、価格的にもお得ですし、すぐに発行してもらえます。
しかし、その手軽さ故に、現在では、なりすましサイトのSSL化にも使われています。

OVは、組織情報についての確認が入るので、企業が利用するのであれば、OVかEVかの選択が妥当でしょう。

EVは、組織情報について、更に踏み込んだ確認が入ります。
ブラウザのアドレスバー上の表示はOVと同じですが、証明書の詳細画面で確認できる組織情報の審査水準はEVの方が厳格です。
また、DigiCertなど一部の認証局では、EVプランにPCI Compliance ScanやCTログモニタリングといった付加サービスを組み合わせて提供しています。
これらはEVという検証区分自体の標準機能ではなく、認証局ごとのプラン内容である点にご留意ください。

決済が発生するような企業のWebサイトであれば、PCI SSCが発行しているBest Practices of Securing E-commerceで推奨されているように、OVまたはEVを選択することをお勧めします。
ブランドの信頼性や取引先からの審査対応を重視される場合は、審査水準がより厳格なEVをご検討ください。

なお、証明書の種類を問わず、SSL/TLS証明書の最大有効期間は2029年までに47日へ段階的に短縮される予定です。
詳しくはSSL/TLS証明書の有効期間短縮(いわゆる「47日問題」)についてをご覧ください。

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