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情報品質の検査

情報の処理の4つのプロセス

2016年7月7日
著者: 竹洞 陽一郎

前回は、人間の視覚や聴覚を通して入ってきた「データ」が、脳の過負荷を防ぐために、無意識のフィルタによって、全ては意識に伝えられない仕組みについて説明しました。
そして、以下の3つについては、無意識のフィルタが通過して、意識に上ってくるという説明をしました。

話題になるCMや、動画、広告、ポスターや、その他の広告手法は、このいずれかに当て嵌まるか、どれかの組み合わせであることは、皆さんも納得頂けると思います。

「新しい事、珍しいもの、面白いもの」や「本能に密接に結び付いたもの」の活用は、クリエーターの方や、広告会社の方が得意な分野でしょうから、私は取り上げません。
私がSpelldataの事業として行っている、またこのブログで取り上げるのは、「自分が興味・関心のあること」の分野です。
そして、これが検索技術やSEOと密接に結びついている分野です。

「データ」から「情報」へ

皆さんがWebサイトを作られるのは、法人や個人に対して、「私達の製品やサービスは、お役に立てますよ」と知って欲しい、理解して欲しい、そして購入して欲しいからですよね。
皆さんのWebサイトは、大まかには、以下のステップを経て判断されます。

  1. どのような製品やサービスであるのかを、文章や写真、動画という「データ」にして掲載
  2. Webサイトの閲覧者の「興味・関心」に合致(データが情報へと変わる)
  3. 「情報」が自分にとって価値あるものであるかどうかを判断

「データが人の心に何かを形作ったら情報と言える」と、前回の記事で説明しました。
そのデータの受け手の心の中に形作ったものは、何でしょうか?
3番目のステップについては、以下の一連の思考の流れに分解できます。

  1. 印象
  2. 認識
  3. 評価
  4. 影響

印象

信頼できる・できない、恰好良い・恰好悪い、素敵・ダサい、色々な印象の形成指標があります。
その多くは、「見た目」に支配されているものです。
ですから、Webサイトにおいて、パッと目にしたときの印象を左右する、狭義の意味でのデザイン(見た目のデザイン)が重視されるのは、これが理由です。

因みに、デザインの本来の意味は、「設計」です。
Wikipediaでは、以下のように、その語源と意味が解説されています。

デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。
つまりデザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。
日本では図案・意匠などと訳されて、単に表面を飾り立てることによって美しくみせる行為と解されるような社会的風潮もあったが、最近では語源の意味が広く理解・認識されつつある。

面白いことに、見た目が綺麗なものが、必ずしも、人の注意を捉えるわけではありません。
寧ろ、見た目が雑であったり、見にくい方が、人の注意を捉える場合もあります。
マーケティングの分野では、よく知られている事実です。

認識

データは、印象を伴いながら、頭脳の思考によって解釈されます。
解釈には、受け手の持っている知識や経験などが活用されます。
従って、同じデータを受け取っても、人によって認識の度合いが異なります。

Wikipediaでは「認識」について、以下のように説明しています。

心理学では、認識とは、心的な過程のひとつで、外界から得た情報が意味づけされた上で意識に上ることを言う。
ここで、外界からの情報が知覚である。
これは、身体からの信号である感覚をもとに構成されたものとなる。

この知覚に対して意味づけを行う過程には知性的能力(理性・悟性)や知識が介在し、同じ対象に対しても個人ごとに同じ認識をしているとは限らない。

ここで、知覚していることは必ずしも認識していることを意味しない。
いわゆる、「見ている」と「見えている」の違いである。
また、認識はそれだけではブラックボックスで、行動・発話などの出力行為によってのみ客観的に確認できるものである。

余談ですが、この認識の力が高い人を、アニメの「機動戦士ガンダム」では「ニュータイプ」と呼んでいます。
人類が宇宙空間で暮らすようになったことで、空間認識能力の拡大が必要となり、それに対応するために進化することで、洞察力や認識能力が拡大して、肉体的・精神的に物事の理解が深くなり、それによって人と人との相互理解が可能になった人類という概念でした。

私達は、ニュータイプをお客様に商売しているわけではないので、お客様の持ち合わせているであろう、知識や経験を想定して、それに合わせた説明や表現の仕方を考えなければならないわけです。
そこで、ペルソナの設定が必要となるのです。

評価

認識された情報は、次に評価されます。
ここでの評価とは、「この情報に価値があるか・ないか」の判断です。

よく、「下らない」という言葉を会話などで使うと思いますが、それは辞書で意味を調べると「まじめに取り合うだけの価値が無い」という意味です。
真面目に取り合うだけの価値があるか・ないかは、まずは情報として受け取ったものについて評価されます。

情報として価値が高いと評価されても、それだけでは買おう!とはなりません。
その受け手を取り巻く状況に大きく左右される事が多いです。人間は、状況や環境に左右されながら生きています。
状況には、例えば、以下のようなものがあります。

経済的状況
金銭的な状況。予算に合う・合わないという価格面だけでなくて、法人であれば予算を確保してある・していない、個人であればライフサイクル的に買っても良い段階・まだ買えない段階など、タイミングも含む。
社会的状況
法人であれば、景気であったり、業界動向であったり、市場動向など。個人であれば、世の中の流行や関心事、自分が属している社会的グループ内での傾向や動向。
心理的状況
法人であれば、新規の取引先か、実績のある取引先か、その営業担当者との関係など、人間関係の深さや信頼関係。個人の場合であれば、気分が乗る・乗らないなど、魅了される・されないなどの感情面。

影響

その商品やサービスなどについての情報が、価値があるか・ないかを評価され、そして現在の自分を取り巻く状況や環境に照らし合わせて、そして影響が出ます。
一番望ましいのは、その商品やサービスの情報の価値が認められて、状況や環境に照らし合わせても買える状態で、実際に買うという行動が影響として出ると、皆さん嬉しいですよね。

状況や環境によって、情報の価値が高くても、「今は時期じゃない」という先延ばしという行動が、情報を受け取った影響として出る場合がよくあります。
しかし、それだけではなく、「ここは良さそうだから、時期が来たら、候補の一つにしておこう」とか、「役立った。これは覚えておこう」というような、気に留めるとか、教育という影響が出る場合もあります。
そして、大抵は、それらの影響は、時間の経過と共に消えていきます。

影響を及ぼす時、それは長期的、且つ、繰り返しで行われると、脳の中の記憶が強化されていきます。
だから、マーケティングでファネル、リードナーチャリングという概念が出てくるのです。

価値の高い情報を提供することで、「今すぐ客」ではなくても、「これから客」になる可能性があるのです。
また、「よく相手を知ってから」と、情報の価値だけではなく、経過時間で決める人はかなり多いです。
ですので、来るべき「時期=時機」を見据えて、継続的な、価値の高い情報を発信して、心理的な結びつきを強化するわけです。

コンテンツマーケティングやオウンドメディアは、このような心理学的な効果を活用する目的もあります。
これを、「評価の貯金」と呼んだりします。
商品やサービスを購入してもらうということは、お客様という銀行に貯めた「評価の貯金」を引き出す事なのです。


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