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データをフィルタリングする脳

データと情報と脳のフィルタリング

2016年7月6日
著者: 竹洞 陽一郎

情報とは

前回は、Webサイトの5つの種類について解説しましたが、どの種類のWebサイトであっても、共通していることは、まずは情報を提供しているという点です。
それでは、そもそも、「情報」とは何でしょうか?

情報とは、ギリシア語の「eidos」という言葉が語源で、これは「みめ、姿、形」という意味です。
人の心や精神に、形を与える(inform)するものが、情報です。

「データ」と「情報」の違い

「Webサイトは、文字から成る文章データ、画像から成る画像データ、動画から成る動画データを配信している」とも言えます。
では、「データ」と「情報」は何が違うのでしょうか?

データを人が見たり、読んだり、聴いたりと、目や耳といった感覚器を通して受け取った時に、それらのデータは人の脳で解釈されます。
そして、その解釈の結果、人の心の中で、それらの「データ」に「価値」を見い出されて、役立つ「知らせ」という形になったときに、それは「情報」となるのです。

「データ」は全て、「情報」となるわけではない

人間にとって、「データ」の全てが解釈されて、「情報」となるわけではありません。
人間の脳は、その処理の負荷を下げるために、様々なフィルタリングの機能を備えています。

例えば、自分が自分で身体をマッサージすると大して気持ちよくないのに、他人にマッサージしてもらうと気持ち良いのは何故でしょうか?
それは、自分で身体に触れた刺激にいちいち反応していると、あまりに頻度が高く、データ量として大きくなってしまい、脳の負荷が増大してしまうためです。
ですから、自分が自分の身体に触れた刺激はフィルタされて減少されるのに対し、他人に触れられた刺激はフィルタされないので、他人にマッサージしてもらうと気持ちが良いのです。

他人にマッサージしてもらうと気持ち良い

また、人混みの多い、ガヤガヤした、セミナー会場や、パーティー会場、飲食店など、話し声が充満しているような場所で、自分の名前を呼ばれたり、話題に上がっていると、その話し声や呼び声には気づくという事は、誰しも経験していると思います。
それも、多数の会話を処理すると脳の負荷が上がってしまうため、自分とは関係ない話については、無意識下で脳がフィルタして脳の処理の負荷を下げているのです。
自分の名前が音として入ると、それを無意識が意識へ引き渡し、自分の名前が呼ばれたり、他人の会話の中で自分の名前が出たことに気付くのです。

人混みの多い渋谷

学習によって、習得・強化される「フィルタ」

人は、自分が興味関心を持っている事については、それらのデータを拾い上げて、脳に届ける機構が備わっています。
それを解釈した時、「あぁ、これは面白い」とか、「これを知りたかった」とか、心が動かされると、そこに意識が集中して、思考処理され、「情報」となるわけです。
そのフィルタは、学習によって、習得・強化されていきます。

例えば、皆さんがWebサイトでよく見る広告。
最初の内は、目についてイライラする事もあったでしょうけど、徐々に、見なくなり、気にならなくなりますよね。
それは、「自分にとって必要のない情報だから見ない」というフィルタが出来上がり、強化されていくからです。

しかし、だからと言って、広告の全てに効果が無い訳ではありません。
自分の興味・関心があることには、そう、人混みの中で、自分の名前を呼ばれたように、無意識が反応して、そのフィルタを通して、意識へと知らせます。

殆どの広告は無視していても、たまに、目を惹く広告というのがあると思います。それは、自分が興味・関心のあるものではないですか?
もしくは、未経験、目新しい、知らないもので、「自分には必要がない」というフィルタがまだ出来上がっていないものです。
フィルタは「自分には必要だ・必要じゃない」、「興味があること・ないこと」という具合に、判断の回数を積み重ねた事柄について、具体的・個別に出来上がっていくものなのです。

ディスカウントセール

無意識のフィルタを無条件に通り抜けるもの

そして、学習や強化では、フィルタが難しい、ほぼ無条件に無意識を通り抜けるデータがあります。
それは、本能に直結したものです。
人の生物としての基本的な欲求に根差したものについては、無意識と深く結びついているので、無意識ではフィルタできないのです。

例えば、男性であれば、下のような美しい女性の写真は、意識する・しないに関わらずに、目に入ってしまうでしょう。
グラビアアイドルの写真なども、無意識を容易に通り抜けて、目に入ってしまいます。

若い女性の顔

女性で、甘いものが大好きな人は、下のような、美味しそうなフルーツタルトの写真に、無意識のうちに視線を奪われるでしょう。
女性の場合は、「別腹」が科学的に実証されました。空腹であるかどうかに、関わらず、甘いものを食べるために、胃がスペースを空けるのです。

フルーツタルト

このような特性を巧みに利用した広告も多数あります。
健康食品や、サプリメントなど、露骨にこの手法を取ったりしていました。
昨今では、出会い系アプリなどの広告で使われたりもします。

スマートフォン向けのWebサイトで、下の部分に広告として、エッチなマンガが表示される事も多々あります。
あれも、見たいとは思わなくても、ついつい、目に入ってしまいます。

しかし、この手の手法は、諸刃の剣です。
人は欲望だけで生きているわけではないからです。人には理性があります。
この手法の広告は、アイキャッチとなる画像と広告内容がかけ離れる程に、「あなたは理性に負けて、欲求に従って見ちゃいましたね」と暗に言ってるようなもので、それを感じた人は、嫌悪感を感じるのです。

美しい女性の写真や、美味しそうなフルーツタルトの写真が表示されていると、そちらに気を取られちゃって、集中して読めないですよね。
それでは、今日はこの辺りで。


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